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人生の答えは、ヨーガにある。

2015.03.28 | コラム
脇田 久子 氏

九州大学心療内科との共同研究をはじめ、その他病院では医師指導のもと、うつ病やガンをはじめ様々な疾患を持たれている方にヨーガを指導されている日本統合医療学会認定ヨーガ療法士の脇田先生。多い日には1日4本以上のヨーガのレッスンをされ、スポーツクラブのクラスには、1回になんと60名以上の生徒さんが来られます。若い方はもちろん、たくさんの60歳代の方が毎週参加されています。長年、たくさんの方にヨーガを指導されている脇田先生に、『病気になる理由』『ヨーガとは』そして、『ヨーガを通して健康を手にいれる方法』をお伺いしました。

現代、病気になる原因の多くはストレスです。

私たちのカラダが病む(壊れる)とき、なぜだろう?と思いますよね。
その時に何かやはり、それらしい原因、自分だけがよくわかっていることがあるのですよね。ただ、それを自分でわかっている人であれば対処が速いし、わからないと不具合が延々と続くのです。早く対処すれば治るのに、原因に気づけない人はどんどん積みかなさって病気になる。

現代の病気はストレスからくることがほとんどです。ストレスを受けた時にストレスと感じないままその状態が自分だと思い込んでしまい、ストレスが積みかなり、気づいた時にはいよいよ自分では処置できないところまで進んでしまっている。そして、病院へ行かなければならなくなるのです。ストレスが原因で疾患として出てくるものを『心身症』といわれています。外科的な怪我や故障以外、内科的な病気のほとんどは、こころの在り方が原因で不調が現れるとされる『心身症』です。そして、『心身症』になりやすい人はいまの自分に気づいていないのです。

ヨーガとは、『今の自分に気づく』こと。

自分が今何をしているのかに意識を向けて、気づくお手伝いをします。自分自身に気づけばそれに対して対処の方法がみつかります。今、目の前でご自分自身がやっていることを『意識化』させ、感じ、気づかせる。しかし、形がない心に気づくのは難しいので、ヨーガのポーズや呼吸法を使って、カラダを通して感じることにより、気づくチカラを高めていきます。

ヨーガは約 4500年前、インダス文明の古代都市遺跡から、座像が発掘され、すでにヨーガの修業が行われていたと考えられております。かつて、修行者が行っていた伝統的なヨーガを現代の我々ができるように、心とカラダの健康維持のために、アレンジされているのがヨーガです。

例えば、寒いと思うだけで、ぎゅっと肩があがりますよね。これだけで緊張をしているので、呼吸は浅く速くなり、血流を悪くします。そして、筋肉も硬くなり、呼吸は吐けていないし、カラダはゆるんでいないでしょう。これが何年も積み重なっていくとずっと薬が外せなくなるのです。

しかしヨーガの呼吸法を行い、吐く息をしっかりはくことで、カラダの緊張もとれ、こころまでリラックスさせることができます。

また、頭痛、偏頭痛や目の疲れ、首、肩こりなどもストレスが原因で、自分の緊張から来ているのです。一生懸命パソコンに集中していると、エンターキーを押すまで、がががが~っと一気に仕上げようと思って、呼吸を止めてキーを打ったりしませんか?

そして、エンターを押したら、思わず、『ふぅ~』と息を吐いたりしていませんか?
私たちは本能で、吐く息がいかに大事かを知っているのに、普段はそれを忘れてしまっているのです。呼吸は自立神経とも関係をしいていて、ストレスがかかると呼吸は乱れているのです。

呼吸は、こころとカラダをつなぐ架け橋です。だから、今ここの呼吸に意識を向ける訓練をしていけばいい。カラダがきついなと感じるときは、ご自分が今どんな呼吸をしているかなと、少し意識を呼吸に向ける、そして自分で意識的にゆっくり吐くことが大切です。

塩分を取りすぎるとか、たくさん食べ過ぎてしまうとか、こういうこともストレスと関係しています。呼吸法で、脳の鎮静作用を活かしていけば、今食べていいものか、悪いものかの判断ができるようになってくるのです。自分のカラダの間違いに気づけば、心の持ち方に気づいてくる、判断の間違いに気づいていくのです。思いや考えは、自分が判断をしいています。『これはいい、悪い』の判断は自分がしているのですが、往々にして病気の人は自分に気づいていないから、『この人がこういったから、こうなった』という風に原因は、外にあると思ってしまいがちです。自分のことに気がつかないで、延々とそれをくり返して、心身症になる。病気の原因は心のあり方やストレスが大きく関係しているので、いかに今の自分に意識を持てるかが大切なのです。

『呼吸10回をお薬1錠』だと思って。

呼吸法を10回して、自分がリラックスできるのならば、呼吸を使えばよいのです。眠れないときでも、便秘だという人も腹式呼吸やヨーガのねじりのポーズをしてみる。よくクラスで言うのですよ、『肩が凝っていて、裕福な方は湿布を貼るけれど、私は、肩呼吸とアーサナで治します。』ってね。どれくらい肩の可動域があるのか、肩を耳まであげて近づける、凝っている人は、肩があがらない、耳に近づかないのです。一方、心もカラダもフレキシブルな人は、肩が耳まで近づいてぐーんと上がって、ぐーんと降りのです。よくクラスでも、『私はカラダが硬い』とか、『ヒザが痛いからできない』という話を耳にします。ひとり、ひとり、同じ顔の人がいないように、カラダも違うのです。
ヒザが痛ければ、脚を伸ばして座ってポーズをすればいいのです。大切なのは、人とくらべずに、今の自分を知ることです。

また、『瞑想』をみなさん難しく言われるのですが、考えすぎないでください。
胸と腹に手にあてて『呼吸』をしてみます。手の触角を使って呼吸を感じる、自分のカラダが今、呼吸していることを感じること。そして、呼吸が終わったあとにリラックスできたなと感じるのです。大切なことは、『感じること、意識すること』です。これも瞑想です。

呼吸がコントロールできるようになると
心もコントロールできるようになり
カラダもコントロールできるようになります。

うつ経験からの生まれる、こころ強いアドバイス

うつ傾向の強いひとは、静かに呼吸をして、内観をするよりもヨーガのポーズの中でも、動きを感じやすいポーズや連続した動きをする太陽礼拝などで、しっかりとカラダを動かしながら、呼吸とカラダの動きを同調させていき、感じることが向いています。

十分自分のことで気が滅入っている人に静かに目を閉じて、呼吸だけに集中して、もっと自分の心のありかたを調べなさい等ということは、酷ですよね。

私自身も以前、約6~7年うつ病を患っていました。
子供のころから病弱で、いろいろな薬を飲んでいました。そして、大人になって、うつ病を患ったのですが、当時は、わがままも言い放題、病院の先生を困らせていたのですよと。

わがままが通らないのがストレスになっていたようです。

もちろん、毎日真面目には抗鬱剤を飲んでいたけれど、飲んでいるうちに肝臓も、胃も悪くなるし、またその薬が増え、生まれつき1つしかない腎臓まで患うという悪循環を繰り返し、なかなか元気なカラダにはならなかったのです。

そして、これはご縁としか思えないのですが、『ヨーガ』に出会いました。
若いころヨーガ教室に通い、心理学も学んでいました。そして、なにか『呼吸』が解決につながるのではとヒラメキがあったのかもしれません。ヨーガ講師の資格まで取りましたが、なんだかしっくり来ず、たくさんのヨーガクラスを回りました。

ある日、東京に行かれた先生のご紹介で、これが!と思えるヨーガに出会いました。

当時は、体重が40キロもない病弱を絵に描いたような私でしたので、どのヨーガ教室でも敬遠されましたね。本当は、そんな人に優しいのがヨーガなのですけれどね。もちろん、当時は私が指導者になるなんて思ってもいませんでした。ただ、健康になりたいという一心でした。

今になると思うのですが、自分のプライドが高く、自分の理想まで何をしても届かないことから、落ち込んでしまい、うつになっていたようです。

たとえば、1つの病気にも色々原因があるように、うつになるのにも、人それぞれ、色々な原因があります。しかし、病院ででる薬はある程度決まっていて、病になった根本原因までは迫っていないようにも感じています。ヨーガは、西洋医学を否定するのではなく、西洋医学にお世話になりながら健康を取り戻していく。でも、一番は、自分の変化(病)に気づいたら、まず、早く病院へ行き、診察を受けて欲しいと思います。そして、もし何にもなければ、それでよいですし、何かあれば、それにあう治療を受けながら、こころとからだに効果をもたらしてくれるヨーガも取り入れていただければと思います。それぞれの道の専門医がいますし、その周りにはまた、専門のセラピストがいますので、体調を崩された方は、まずは専門医に相談をすることが大切ですね。

私は、子供の時からここまで長く病気を患いましたが、今ある疾患もヨーガを通して、健康を維持できています。皆様にもぜひ、ヨーガを利用していただき、心もカラダも健康で、今ここにあるご自分自身を大切にしいてほしいのです。

14年前に木村慧心先生と出会い、ヨーガの理論に触れ、『これが、本当のヨーガだ』と感じました。というのは、うつ病を患い、心療内科も、カウンセリングもたくさん経験し、なかなか健康になれずに苦しい想いをしていたのですが、教えられたヨーガの哲学には、心もカラダも健康になる答えがあったのです。それも、数千年前に書かれた聖典ウパニシャッドなどには、ないと思っていた答え、人生の答えはヨーガにあったのです。

編集便り

人生の宝箱のような脇田先生。

いつも素敵な笑顔と還暦を超えられているとは思えない、内からにじみでる輝き。
誰もが歳を重ねるごとにそれぞれの宝箱は、人生の経験でつまっていくのだと思います。
その中でも、とびっきりの宝物がいっぱいつまった脇田先生。
『その人らしく、楽しく生きる。』
このように美しく人生を重ねていけると素敵ですね。
次回は、『おうちで簡単にできるヨーガ療法』を映像にてお届けする予定です。
そして、只今、脇田先生のヨーガワークショップを企画しております。
ぜひ、皆様と一緒にすてきな時間を過ごせることを楽しみにしております。

脇田 久子 氏

日本ヨーガ療法学会理事
日本統合医療学会
認定ヨーガ療法士